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東西まるごと!医学事典コラム
病気で苦しむあなたに必要なのは、
東洋医学と西洋医学の調和だ!
臨床経験3万人以上!コスモス治療院の角谷剛史が
実際の臨床から学んだ医学の知識を分かりやすく紹介します
「病で苦しむ人は、正確な医学の知識を欲している」
コスモス治療院で患者さんとお話をしていると、痛みなど身体の不調に戸惑い、とても不安を感じているのが分かります。
また体の異常にどう対応したら良いのか分からなくて、まるで逆効果になるようなことをやってしまい悪化してしまう、というようなこともよく聞きます。
このような方に必要なのは、正確でわかりやすい医学の知識です。
・これだけ知っておけば、いざというとき困らない医学知識
・このような症状が出たらどう対応したら良いか
・東洋医学から見た養生法
・コスモス治療院で行っている治療の紹介
東洋医学の臨床から得た生きた知識を、あますところなく書いていきたいと思っています。
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1-1「見逃さないで、脳卒中の症状」
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脳卒中とは、脳の血管の障害によって起こる病気の総称です。
脳卒中には大きく分けて3種類あります。
○くも膜下出血
○脳出血
○脳梗塞
脳梗塞はさらに3種類に分類されます。
○ラクナ梗塞
○アテローム血栓性脳梗塞
○心原性脳梗塞
くも膜下出血と脳出血は脳の血管が破れるために起こり、脳梗塞は脳の血管が詰まって発症します。
脳卒中は、生活習慣や生活習慣病と関わりの深い病気です。
「肥満」「喫煙」「1日1合以上の過度の飲酒」といった生活習慣が積み重なると、脳卒中を起こすリスクが高くなります。
脳卒中では、主に次のような症状が突然現れます。
○頭痛
明らかな原因のない激しい頭痛が起こります。
○麻痺やしびれ
顔、腕、足など、体の片側に麻痺やしびれが現れます。
○視野が欠ける
視野が半分欠けて見えます。左右どちらの目で見ても、半分ほどしか見えません。
○言葉の障害
言葉がうまく話せなかったり、ろれつが回らなくなります。
○めまい
バランスが悪くなったり、うまく歩けなくなります。
脳卒中は「昨夜大丈夫だったのに、朝いきなり異常が現れた」というように突然起こるのが特徴です。
もしこの5つのうち1つでもあれば、脳卒中の可能性があります。
そのため早期の診断、治療が重要。
しかし軽症だと受信が遅れることも少なくありません。
症状を見逃さないことが大切です。
もし症状に気づいたら、まずは病院へ向かいましょう。
<救急車を待つ場合>
○横向きに寝かせましょう
脳への血流の低下を防ぎます。
○麻痺している側を上にする
麻痺している側が下になると、唾液を飲み込めずに肺に入ってしまう可能性があります。
○患者さんにとって楽な姿勢に
○暑すぎず、寒すぎずの状態に
○換気をよくする
<移動させる場合は>
○横にしたまま周囲の人が動かす
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1-2「くも膜下出血とは」
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バットや金づちで殴られたような激しい頭痛が突然起こったときは、くも膜下出血の可能性があります。
脳の血管が枝分かれする部分に「脳動脈瘤」というこぶができることがあります。この脳動脈瘤が破裂して出血し、「くも膜下腔」に血液が溜まるのが「くも膜下出血」と呼ばれるものです。
出血した血液で脳を包む髄膜が刺激され、激しい頭痛が突然起きます。
「吐き気」「嘔吐」「意識障害」が起こる場合もあります。
注意しなくていけないのは、くも膜下出血であっても出血量が少ないと、頭痛が短時間で治まることがあります。
これは「警告発作」と呼ばれ、治まったからとほうっておくと、数日後に本格的なくも膜下出血が起こる可能性があります。
○くも膜下出血の治療
基本は開頭クリッピング術という手術が行われます。
また、血管内治療という方法がとられることもあります。
○開頭クリッピング術とは?
脳動脈瘤に血液が流れ込まないように、脳動脈瘤の根本に金属製のクリップをかけて、出血を止める。
手術時間は3〜4時間。
開頭して頭蓋骨の一部を外し、医師が直接患部を見ながら行うことが出来る手術だが、患者さんの体への負担は大きい。
○血管内治療とは?
血管内治療では、コイル塞栓術が主に行われます。
足の付け根の血管から「カテーテル」という細い管を入れて破裂した脳動脈瘤まで通し、プラチナでできたコイルを脳動脈瘤に詰める。
脳動脈瘤の根元が広い場合には向かない。
現在のところ、コイル塞栓術を受けられる施設は限られています。
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1-3「脳出血とは」
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・体の片側だけに起こる麻痺やしびれ
・両目に起こる視野の欠け
・言葉の障害
・めまい
上記症状のうち、1つまたは複数が突然起こったら、脳出血または脳梗塞の可能性があります。
「高血圧」などのために脳の細い血管がもろくなり、破れて出血するのが脳出血。
出血した血液が固まってできた「血腫」が、周囲の脳細胞を圧迫して障害し、その部位の働きが損われると、症状が現れます。
脳は部位により働きが異なるため、脳のどこで脳出血が起こり、どの部位が障害されたのかによって、症状は異なります。
例えば、言葉にかかわる部位が障害されると、言葉の障害が現れます。
平衡感覚にかかわる部位が障害されると、めまいが起きます。
○脳出血の治療
薬での治療に加えて、血腫が大きい場合には手術で治療します。
治療の目的は、出血の拡大を防ぎ、脳の損傷が広がるのを防ぐことにあります。
○薬での治療
目的は大きく分けて2つあります。
ひとつが、血圧を下げて、出血を止めること。
もうひとつが、脳のむくみをとること。
小さな血腫であれば、血圧を下げる薬や、むくみを取る薬による治療だけで、次第に小さくなって消えることが多いです。
○手術での治療
出血でできた血腫を取り除きます。
比較的大きな血腫の場合には、頭蓋骨を一部外して血腫を取り除く「開頭血腫除去術」という手術が行われます。
ただし、患者さんの体の負担が大きいため、年齢や重症度、血腫の場所などによって、手術を行うかどうかが決められます。
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1-4「脳梗塞とは」
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・体の片側だけに起こる麻痺やしびれ
・両目に起こる視野の欠け
・言葉の障害
・めまい
上記の症状のうち、1つまたは複数が突然起こったら、脳梗塞または脳出血の可能性があります。
脳の血管が詰まって起こるのが、脳梗塞。
脳の血管が詰まると、そこから先に血液が送られないために周囲の脳細胞が障害されて、その部位の働きが損われて症状が現れます。
脳は部位により働きが異なるため、脳のどこで脳梗塞が起こり、どの部位が障害されたのかによって、症状は異なります。
例えば、言葉にかかわる部位が障害されると、言葉の障害が現れます。
平衡感覚にかかわる部位が障害されると、めまいが起きます。
脳梗塞は、以下の3つに分類することができます。
○ラクナ梗塞
高血圧などのために細い血管に強い圧力がかかり続けると、血管壁が熱くなり、血管の内腔が狭くなって詰まる。
○アテローム血栓性脳梗塞
脳の太い血管の血管壁にコレステロールが入り込むと、動脈硬化巣ができる。動脈硬化巣を覆う膜が破れると、破れたところの血小板が集まり、血栓をつくって血管を塞ぐ。
○心原性脳梗塞
「不整脈」の1つである「心房細動」などが原因で、心臓の中に大きく溶けにくい血栓ができることがある。血栓の一部が脳に流れて、脳の比較的太い血管を詰まらせる。障害される範囲が広いため、重症化しやすい。
○脳梗塞の治療
脳細胞への障害を最小限に抑えるために、薬を使った血栓溶解療法や脳保護療法などの治療が行われます。
血栓が詰まると、酸素が欠乏し、そのままにしておくと周囲の脳細胞が壊死してしまいます。
完全に壊死する前の、機能が止まっているだけの段階で血流を回復させ、脳細胞への障害を抑えます。
○脳梗塞の薬物治療
発症後3時間以内であれば「t-PA」という薬を使う「血栓溶解療法」が行われます。
○血栓溶解療法について
発症後3時間以内に治療を始めることが出来る状況で、ほかの制約にも該当しない場合に受けられます。
発症から時間が経つと血管がもろくなり、血流が再開した時に出血する可能性があるため、t-PAは発症後3時間以内でなければ使われません。
医療機関での審査・診断などに1時間はかかるため、医療機関には発症から2時間以内に到着する必要がある。
制約としては、
・発症後3時間以上経過している
・3ヶ月以内に脳梗塞の既往がある
・脳出血の既往がある
・梗塞範囲が大きい
などの場合があります。
またt-PAを使った治療のできる医療機関は限られるため、上記の制約に該当しない患者さんであっても、受診した医療機関によっては受けられない場合があります。
発症して3時間以上経った場合は他の治療が行われます。
○脳保護療法
脳細胞への障害を防ぎます。
壊死しかけている脳細胞を傷つけ壊死させる「活性酸素」などの有害物質の働きを抑え、脳細胞を保護します。
「急性腎不全」を起こす副作用があるので、腎臓の悪い人には使われない。
○抗血小板療法
抗血小板薬を用いて血小板の働きを抑え、血栓ができないようにする。
○抗凝固療法
抗凝固薬を用いて、血液中に「フィブリン」という繊維ができるのを防ぐことで、血栓ができないようにする。
○抗脳浮腫療法
血栓が詰まった部分の周辺がむくむと、正常な脳細胞が圧迫されて症状が悪化する危険があるため、むくみの原因である余分な水分を取り除きます。
<脳梗塞の急性期治療の今後>
海外では、t-PAによる血栓溶解療法は脳梗塞発症後4時間半以内まで有効とされ、すでにヨーロッパでは標準治療として行われています。
日本でも近い将来、発症後4時間半以内にまで適応が拡大されると考えられます。
また、特殊なカテーテルを使って血栓を取り除く新しい治療法も開発されており、近い将来承認される見込みです。
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1-5「脳卒中を再発しないために」
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脳梗塞の患者さんの発症後10年間の再発率を調べると、10人1人が1年以内に再発し、2人に1人が10年以内に再発していることがわかってきました。
「くも膜下出血」の場合は、発症後の治療が終われば、あとは治療する必要のないケースが大半です。
しかし、脳梗塞や脳出血は再発の可能性が高いので、再発予防のための治療を生涯にわたって続けていく必要があります。
再発の予防では、
○脳卒中そのものの治療
○脳卒中を発症する原因となった病気の治療
を併せて行います。
脳卒中の背景にある「動脈硬化」を促進するのは、
○高血圧
○糖尿病
○脂質異常症
といった生活習慣病や、
○肥満
○メタボリック・シンドローム
などになります。
また「不整脈」の一種である「心房細動」は、「心原性脳塞栓」の引き金になります。
生活習慣病の治療には、薬物療法や生活習慣の改善(禁煙・節酒・食事・運動)などが必要です。
特に、脳出血の再発予防では、血圧のコントロールがとても重要になります。
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1-6「脳梗塞の再発予防」
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脳梗塞の再発予防では、原因となった病気の治療を行うほかに、血栓ができないようにする「抗血小板薬」や「抗凝固薬」を生涯飲み続けることになります。
<抗血小板薬>
血管で血栓ができるのを抑える作用があり、「ラクナ梗塞」や「アテローム血栓性脳梗塞」の再発を防ぐのに用いられます。現在用いられているのは、
○アスピリン
○クロピドグレル
○シロスタゾール
などです。
「アスピリン」は「胃潰瘍」を起こしやすいです。
<抗凝固薬>
心臓で血栓ができるのを抑える作用があり、主に心原性脳梗塞の再発予防に使われます。現在は、
○ワルファリン
という薬が使われています。
服用上の制約が少ない「抗トロンビン薬」という新しい内服薬の開発も進められています。
<薬の副作用>
抗血小板薬や抗凝固薬には、血流をよくして血液を固まりにくくする作用があるため、出血しやすい、出血が止まりにくいといった問題を伴います。
脳出血や「消化管出血」が起こる可能性もあるので、使うことのできない人もいます。
<手術>
また、首の左右にある「頸動脈」の動脈硬化が進んで内腔が狭くなっていると、脳梗塞の再発のリスクが高くなります。その場合は、
○頸動脈内膜剥離術
○頸動脈ステント留置術
が行われることがあります。
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1-7「脳卒中のリハビリテーション」
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<急性期のリハビリテーション>
リハビリテーションの方法や開始時期は、その後の回復に影響します。
急性期の早い段階から行うことが大切です。
意識のない状態でも、急性期の早いうちから始めると、後遺症を少なく抑えられます。
リハビリテーションは、筋力低下や床ずれ、肺炎などの予防にも有効です。
早いうちに治療とリハビリテーションを開始するためにも、早期の受診が大切です。
<回復期のリハビリテーション>
回復期のリハビリテーションは、脳卒中によって低下した機能回復を目的として行われます。
発症後1ヶ月ほどして症状が安定したら、回復の状態により、その後のリハビリテーションの進め方を決めます。
回復が順調な場合は、治療院・鍼灸院・回復期リハビリテーション病院などに移ります。
重い障害があるなどの理由で回復期のリハビリテーションが難しい場合は、「療養型施設」に移るか、もしくは自宅に帰って回復を待ちます。
この際でも訪問マッサージ・鍼灸はとても有効です。
通院できない方でも、自宅に訪問して治療を続けることが可能です。
コスモス治療院では、治療院での治療も訪問での治療も、どちらも行うことが出来ます。
なにかお困りの時は気軽にお問い合わせください。
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2-1「パーキンソン病ってどんな病気?」
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パーキンソン病は、
○手足が震える
○動作がゆっくりになる
など、主に体の動きに障害が現れる病気です。
現在日本では、およそ15万人の患者さんがいるとされています。
多くは50〜60歳代の中年期から初老期にかけて発病し、日本での発症率は、1000人に1人、65歳以上では500人に1人です。
<なぜ起こるのか?>
パーキンソン病が起こる原因ははっきりと分かっているわけではありません。
中脳にある黒質と呼ばれる組織から分泌されている神経伝達物質ドーパミンが減少して、運動機能が障害されていると考えられていますが、なぜドーパミンが減少するのかはわかっていません。
ただ、60歳以上で発症する人が多いことから、発症には加齢が関係していると考えられています。
また、明確なデータがあるわけではありませんが、「タバコを吸わない」「お酒を飲まない」「趣味がない」「仕事熱心」といった、いわゆるまじめな人に多い傾向があるとも言われています。
長期にわたるストレスで、交感神経の緊張が慢性化し、血管が収縮し、血流が悪くなったことが一因でないかと考えられています。
<パーキンソン病は徐々に進行します>
進行すると、手足の動きに障害が現れるだけじゃなく、食事をすることや十分に睡眠をとることも困難になって、日常生活に支障をきたすことがあります。
現在のところ、パーキンソン病を完全に治す方法はありません。
しかし、症状に合わせた適切な治療を受けることで、症状をコントロールしていくことはできます。
こうした治療によって、パーキンソン病の患者さんの平均寿命は大きく改善され、健康な人とほとんど変わらなくなっています。
早めに脳神経内科(神経内科)を受診して、専門的な治療を始めることが大切です。
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2-2「パーキンソン病の原因」
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パーキンソン病の根本的な原因はわかっていません。
ただ、体を動かすときには、脳の中で「ドーパミン」という神経伝達物質が働いており、パーキンソン病ではドーパミンの不足によって、身体の動きに障害が現れることがわかっています。
ドーパミンは脳の「黒質」という部位でつくられ、「線条体」に向けて放出されます。
体を動かすときには、「大脳皮質」から筋肉に向けて手足などを動かす運動の指令が出されるとともに、線条体からも運動を調整する指令が出され、運動の指令に対して補助的に作用します。
その結果、円滑に体を動かすことが出来ます。
パーキンソン病では、なんらかの原因で黒質の神経細胞が死滅するため、ドーパミンの放出量が減少し、線条体に十分に届かなくなります。
そのため、大脳皮質から筋肉を動かす指令が出ても、その運動を調整する指令がうまく出されなくなり、体の動きに障害が現れるのです。
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2-3「パーキンソン病の症状」
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パーキンソン病では、主に次のような特徴的な「運動障害」が現れます。
<主な運動障害>
○手足の震え
安静にしているときに、手足が震えます。
通常、身体の片側から症状が現れるため、左右差が見られます。
○筋拘縮(筋固縮)
筋肉が緊張した状態になります。
関節を曲げ伸ばしするときにカクンという筋肉の強い抵抗を感じ動作がぎこちなくなります。歯車が噛み合い回転する感じから、歯車現象と呼ばれています。
○動作の緩慢
1つ1つの動作がゆっくりになったり、動きが少なくなります。
表情が乏しくまばなきが少なくなります(仮面様顔貌)。
歩行開始時、初めの第一歩が踏み出せません(すくみ足)。
○姿勢反射障害
立っているときには、首を少し下げ前屈みで肘と膝を曲げた特有の姿勢になります。
体をまっすぐに伸ばそうとすると、後へ倒れやすくなります。
足を床にこすりつけるようにして狭い歩幅で小刻みに歩き(小刻み歩行)、前のめりで早足のため、姿勢を立て直せず転びやすくなります。
急に止まったり方向を変えることが出来ず、前方に突進してしまいます(突進現象)。
1秒間に4〜5回のふるえのリズムにすべて合うようになり、1分間240〜300歩で歩こうとするので足がすくみ前に進まなくなります。
<自律神経の障害なども現れます>
かつてパーキンソン病は、運動障害だけが現れる病気と考えられていましたが、現在では「自律神経の障害」や「精神症状」も現れることもわかっています。
○自律神経の障害
自律神経の障害としては、「便秘」や「排尿障害」、食べ物をうまくのみ込めなくなる「嚥下障害」、立ちくらみが現れる「起立性低血圧」などが起こるとされます。
これらは、進行してから現れることもあれば、運動障害よりも先に現れることもあります。
○精神症状
精神症状としては、“やる気がわかない”“興味がわかない”といった「抑うつ気分」が現れたり、「睡眠障害」が現れることがあります。
パーキンソン病の進行度は、症状の程度を5段階で示した「ヤール重症度」を目安に判定されます。
【ヤール重症度】
症状の程度を示す目安は5段階で示される。
1度と2度は比較的軽い状態。
3度以上で生活に介助を必要とする場合は「特定疾患」に認定され、医療費補助の対象となる。
・1度
片側の手足に症状が見られる
・2度
両足の手足に症状が見られる
・3度
姿勢反射障害や歩行障害があり、活動がやや制限される
・4度
自力による生活が困難で、介助が必要になることが多い
・5度
立つことができず、全面的な介助が必要
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2-4「パーキンソン病の治療」
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パーキンソン病の治療では、長期にわたって症状をうまくコントロールしていくことが大切です。
その方法として、「薬物療法」と「手術」があります。
<薬物治療>
薬物療法では、主に次のような薬が使われます。
○L-DOPA(レボドパ)
L-DOPAは、脳のなかに入ってドーパミンに変化し、不足したドーパミンを補う薬です。
即効性があるのが特徴で、患者さんの8割以上に効果があるとされます。
70歳以上や症状が仕事に支障をきたしている患者さんに使われることが多い。
副作用としては、「吐き気」「食欲不振」などが現れることがあります。
また長期間服用すると、薬の効いている時間が短くなることがあります。
それによって、1日のなかで症状が良いときと悪いときを繰り返す「ウェアリングオフ現象」が現れることがあります。
薬が効きすぎて体が勝手に動いてしまう「不随意運動」が起こることもあります。
○ドーパミンアゴニスト
線条体には、ドーパミンを受け取る受容体があります。
ドーパミンアゴニストはその受容体に結合して、ドーパミンのように働く薬で、L-DOPAよりも作用時間が長いのが特徴です。
20〜30歳代の比較的若い患者さんに使われることが多い。
主な副作用には、「吐き気」「眠気」「幻覚」があります。
まれに、心臓の異常が現れる「心臓弁膜症」が起こることがあるため、定期的に「心臓超音波」を受ける必要があります。
L-DOPAとドーパミンアゴニストは、パーキンソン病の「2大治療薬」とされ、どちらかより使い始めるのが基本です。
十分な効果が得られなければ、併用することもあります。
補助的な薬を加えることもあります。
患者さんの症状によって、2大治療薬と併せて、補助的な薬が使われることもあります。
○塩酸アマンタジン
ドーパミンの放出を促す。不随意運動に有効。
○抗コリン薬
アセチルコリンの働きを抑える。震えに有効。
○MAO-B(マオビー)阻害薬
L-DOPAの作用を維持させる。ウェアリングオフ現象に有効。
○COMT(コムト)阻害薬
血液中でのL-DOPAの作用を維持させる。ウェアリングオフ現象に有効。
○ドロキシドパ
ノルアドレナリンを増やす。すくみ足、起立性低血圧に有効。
○ソニサミド
L-DOPAの作用を高める。震えに有効。
<手術を行う場合もある>
長期にわたって薬物療法を行っていて、ウェアリングオフ現象や不随意運動のコントロールが難しくなった場合に、手術が行われることがあります。
手術では、電流の刺激によって神経細胞の働きを改善する「脳深部刺激療法」が行われ、薬物療法とほぼ同等の効果があるとされています。
○脳深部刺激療法
脳の深い部分には「電極」を、胸には「刺激装置」を埋め込んで、それぞれを電線で繋ぐ。
刺激装置から弱い電流を流して脳に刺激を与え、運動機能を改善させる。
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2-5「患者さんへの治癒のための生活習慣」
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パーキンソン病にかかると筋肉がこわばるので体が動かしづらいのですが、自分の出来る範囲の体操や運動は毎日続けた方がいいです。
体が動かないので悲観的になりがちですが、何か出来たことを、これが出来たあれが出来たと前向きに考えていくことです。
<パーキンソン病患者さんへの治癒のための3大キーワード>
○笑う
○楽しむ
○希望を持つ
出来ることを、がんばりすぎず笑顔で楽しんでやりましょう。
<パーキンソン病患者さんのための生活習慣>
○頭部のマッサージ
○ラジオ体操・散歩など毎日無理なく続けられる運動の実施
○早寝早起きの規則正しい生活
○よく笑う、楽しむ、希望を持つ
○ぬるめのお湯にゆったり入浴
○バランスの取れた腹八分目の治療
<頭部マッサージ>
頭部のマッサージは、リラックスでき血流の改善に繋がるため、とても良い習慣です。
【やり方】
指の腹を熊手のように立て、頭頂部〜後頭部〜首と頭皮を上下に細かくこすりながら、血液をしごきおろすようなつもりでマッサージを行います。
後頭部、側頭部とも各4〜5回ずつ繰り返して、1セットとする。
これを1日2〜3セット毎日続けます。
訪問マッサージ・鍼灸においてもパーキンソン病の治療に置いて、頭部のマッサージや鍼はとても喜ばれるように思います。
マッサージをしているうちに、震えが止まったことも何度も経験しています。
ぜひ一度試してみてください。
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3-1「気づかれにくい、高血圧」
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高血圧は、血管(動脈)にかかる「血液の圧力(血圧)」の値が何らかの原因によって正常より高くなってしまった病気です。
高血圧と診断されるのは、
収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上
または
拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上
の場合です。
高血圧のある人は日本に約4000万人いるとされています。
しかし、そのうち自分に高血圧があることを認識している人は、その半数の約2000万人です。
しかも、高血圧の治療を受けている人はその半数の約1000万人で、そのうち血圧が良好にコントロールできている人は、さらにその半数の500万人と推定されます。
高血圧には基本的に自覚症状はありませんが、放置していると「動脈硬化」が進み、
○脳出血
○脳梗塞
○心不全
○心筋梗塞
○腎不全
などの重篤な病気を引き起こします。
そのため高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれます。
このように、高血圧そのものではまず症状が現れないため、その危険性が認識されにくく、医療機関を受診して治療を受ける人が少ないのが現状です。
しかし、自覚症状がない場合も、高血圧を改善する治療は必要です。
高血圧の治療には、
○自分の血圧を知る
○生活習慣を改善する
○薬で治療する
という3つのポイントがあります。
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3-2「高血圧の原因」
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高血圧のうち約10%は、特定の病気など、何らかの原因があって起こる「二次性高血圧」ですが、残りの90%は、はっきりとした原因のない「本態性高血圧」です。
<二次性高血圧>
腎臓病などから起こる腎性高血圧や副腎の病気、甲状腺機能亢進症など、他に原因疾患が存在するために起こる高血圧です。
腎臓が悪くなるとレニンという酵素が腎臓から分泌され、それによってつくられるホルモン、アンジオテンシンが血管を強力に収縮させるため血圧が高くなります。
<本態性高血圧>
生活習慣などから生じる以下のような要因が関係していると考えられています。
○第一の原因は動脈硬化
動脈硬化が進むと、血管の弾力性が失われ、血液の通り道が狭くなります。
すると血液が流れにくくなるため、心臓はもっと強い圧力で血液を送り出すようになり、血圧が上昇します。
そして、高血圧によって動脈硬化が進むと、さらに血圧が上昇するという悪循環に陥ります。
○自律神経やホルモンも影響する
血圧は常に変動していますが、それに深く関係しているのが「自律神経」です。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、心臓や胃など全身の臓器や血管に分布していて、それぞれの働きによって血圧を上げたり下げたりします。
加えて、交感神経の働きによって血圧を上昇させる作用のあるホルモンが分泌されることも、血圧に影響します。
○ナトリウムも血圧を上昇させる
食塩(塩化ナトリウム)の成分であるナトリウムも、血圧を上昇させます。
血液中のナトリウム濃度は、ほぼ一定に保たれています。
しかし、食塩を取り過ぎると濃度を保つために血管内に水分が引き込まれます。
その結果、血液量が増加し、心拍数も増えて血圧が上がるのです。
また、ナトリウムは交感神経を興奮させたり、血圧を上昇させるホルモンに直接作用して、血圧を下げます。
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3-3「家庭での血圧の測り方」
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<血圧の測り方>
家庭で血圧を測る際は、家庭用の血圧計を用いて、1日2回、朝と夜に測定します。
1日2回が難しければ、血圧を下げる薬の効果が最も薄れる時間帯である朝の1回だけでもよいので、血圧の測定を毎日続けるようにしましょう。
家庭用の血圧計には、指や手首、上腕で測るものなど、さまざまなタイプがあります。
このうち、心臓の高さに近く、最も正確に血圧を測定できる、上腕で測るタイプを薦められることが多いようです。
家庭では、医療機関にいる時よりもリラックスして血圧を測ることができます。
リラックスすると血圧は下がるため、家庭で血圧を測る際の高血圧の基準値は、通常の基準値より上下それぞれ5mmHgずつ低くします。
【家庭での高血圧の基準値】
収縮期血圧 135mmHg以上
または
拡張期血圧 85mmHg以上
家庭で血圧を測定して、この基準値を上回った場合は、医療機関を受診してください。
<適切な診断や治療を受けるために>
血圧は一日の中でも刻々と変動しています。
医療機関で測定した血圧は、変動する血圧の1つの時点での状態を表したものでしかありません。
自分の血圧の状態を正確に知るためには、家庭での毎日血圧を測ることが大切になります。
また、家庭で毎日血圧を測ることが、適切な診断や治療に繋がる場合もあります。
例えば、ふだん家庭で測る血圧が正常範囲内でも、医療機関での血圧が高い場合には、高血圧と診断されます。
これを「白衣高血圧」といい、本来ならば必要でない薬を処方されることにもつながりかねません。
逆に、家庭で測る血圧が日常的に高くても、医療機関での血圧が正常範囲内であれば、高血圧は気づかれません。
これを「仮面高血圧」といい、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクを高めるため、高血圧と同様に治療が必要です。
家庭で毎日血圧を測定して記憶すると、自分の血圧の変化が分かり、治療の効果を実感できます。それが、「血圧を下げよう」という意欲にもつながります。
高血圧の治療は長期にわたるため、前向きな気持ちで続けていくことが大切です。
まずは、家庭で毎日血圧を測定する習慣を身につけることから始めましょう。
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3-4「気血圧を下げる習慣 7つの改善ポイント」
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(1)減塩を中心として食事の改善
塩分の目標摂取量は1日6g未満が目標だが、難しい場合は、まずは10g以下を目指す。
「カリウム」「マグネシウム」「カルシウム」には、体内の塩分を体外に排出する働きや、血管を拡張させて血圧を下げる働きがあります。
そのため、これらを多く含む食品を積極的にとるようにしましょう。
○カリウムを多く含む食品
りんご、ほうれんそう、トマト、バナナなど野菜や果物に多く含まれます。
ただし、腎臓病などがある人は、体内にカリウムがたまりやすいので医師に相談する。
○マグネシウムを多く含む食品
納豆やひじき、ごまなどにマグネシウムが多く含まれる。
○カルシウムを多く含む食品
カルシウムは牛乳などの乳製品や、小松菜などに多く含まれる。
(2)肥満の改善
○BMI(ボディ・マス・インデックス=体格指数)は25未満に
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMIに基づいた標準体重に近づける。
(25以上は肥満と判定される)
<標準体重の算出方法>
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
※この"22"という数字は統計的にみて最も病気になりにくいとされる体格指数。
○腹囲(おへそ周り)
男性85cm未満に
女性90cm未満に
ただし、女性は80cmを超えるとリスクが高くなるので注意
○ゆっくりと時間をかけて体重を減らす
急激なダイエットは体調不良を招きます。
(3)禁煙する
たばこは一時的に血圧を上昇させる。また、動脈硬化を促進し、間接的にも血圧を上げる原因となる。
(4)運動を習慣づける
適度な運動は血圧を下げる効果がある。肥満の改善のためにも運動は重要。
○有酸素運動がよい
血圧降下、減量に適しているのはウォーキングやジョギングなど。少し汗ばむ程度の強さが目安。
○毎日30分以上
10分×3回など、こま切れでもよい。合計で1日30分以上、出来れば毎日運動を続ける。
(5)節酒
男性は日本酒換算で1日1合まで、ビールなら中瓶一本まで。
女性は男性の半分程度にとどめる。
(6)防寒
特に冬は注意。トイレや浴室、脱衣所などには暖房器具を設置する。
入浴時にお湯が熱すぎると、血管が収縮して血圧が急激に高くなるので危険。
お湯の温度は40℃前後を目安にする。
(7)ストレスをためない
運動や趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消の方法を見つける。
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3-5「高血圧を薬で治療する」
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「高血圧」の治療では、まず減塩や運動などの生活習慣の改善を行います。
それでも十分な効果を得られない場合は、薬による治療が検討されます。
ただし、高血圧の治療を薬だけに頼ってはいけません。
薬による効果が始まっても、家庭での毎日の血圧の測定や、生活習慣の改善を続けることが大切です。
薬による治療と並行して生活習慣の改善を行った結果、血圧を良好にコントロールできるようになれば、薬の種類や量を減らせる場合もあります。
高血圧を改善するための薬には、主に「血管を広げる薬」や「血液量を減らす薬」が用いられます。
<血管を広げる薬の代表例>
○カルシウム拮抗薬
血管の壁の緊張を緩めることで血管を広げます。
幅広い年代の人に用いられます。
○ARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)
○ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬
血管の収縮に関わるホルモンや神経の働きを抑えます。
糖尿病や心臓病、腎臓病のある人に用いられます。
<血流量を減らす薬の代表例>
○利尿薬
体内の水分や塩分を排出して血圧を下げます。
塩分を多くとる人や腎臓病のある人に用いられます。
○β遮断薬
心臓が血液を押し出す働きを弱めることによって血圧を下げます。
比較的若い人や心臓病のある人に用いられます。
<副作用は?>
高血圧の薬は、長期にわたって服用していく必要がありますが副作用はほとんどありません。
ただし、血圧が下がり過ぎたことで「ふらつき」が起こったり、血圧が十分に下がらないために「頭痛」や「めまい」がするといった症状が現れた場合は、医師に相談してください。
また薬の種類によっては、妊娠中の人や、ある種の病気がある人は使用できないものもあります。
○妊娠している方、高カリウム血症の方
ARB、ACE阻害薬は服用できません。
妊娠している方がARBやACE阻害薬を服用すると、胎児に「先天性の形態異常」が発生する危険性があります。
○痛風の方、低カリウム血症の方
利尿薬(サイアザイド系)は服用できません。
○ぜんそくの方、高度徐脈の方
β遮断薬は服用できません。
β遮断薬は気管支を収縮させるので「ぜんそく」のある人には用いられません。
<薬の服用について>
降圧目標は人によって異なります。
医師の指示通りに服用してください。
薬の量や、薬をのむタイミングや回数などは、医学的根拠に基づいて決められています。
そのため、「今日は血圧が高めだから、薬を多めに飲もう」「今日はちょっと低いから、薬は半分にしよう」など、自己判断で薬ののみ方を変えてはいけません。
薬による治療は、血圧測定や生活習慣の改善とともに、長期的に続けていくことが大切です。
高血圧の改善は、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの発症を防ぐだけでなく、生活習慣などを予防し、健康で長生きすることにもつながります。
血圧は全身の健康状態を表す重要なサインです。
毎日血圧を測定して体調の変化に気を配り、健康の維持に役立てていきましょう。
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4-1「覚えておきたい応急処置法『RICE処置』」
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RICE(ライス)処置とは、
Rest
Ice
Compression
Elevation
の4手技の頭文字を用いた外傷の応急処置法です。
受傷直後に発生する急性の炎症を最小限に抑えて、回復までの時間を短縮させたり、痛みを軽減させたりすることが出来ます。
○Rest
「安静」を意味します。
運動を中止することで全身の血液循環を押さえて患部への血流を減らすとともに、患部を固定することで、損傷部位の動揺を防ぎ、局所的な安静を図るために行います。
○Ice
「冷却」を意味します。
患部を冷却することで、炎症によって過剰に高まった局所の熱感を下げたり、局所新陳代謝を低下させたり、毛細血管浸透圧を減少させたりします。
また、冷却によって血管を収縮させることで細胞の活動が緩やかになり、酸素、栄養素の必要量が低減されます。
できる限り早くアイシングで対応することによって、二次的低酸素障害や二次的外傷性損傷を抑制することが出来ます。
○Compression
「圧迫」を意味します。
圧迫は損傷した細胞や毛細血管から細胞液や血液が漏出する現象(内出血)を抑える効果があります。
圧迫によって大量に血液が流れ込むのを抑制するとともに、血液が残留するのを防ぐことができます。
しかし、血管や神経を圧迫しすぎて血行障害や神経障害を引き起こさないよう注意しなければいけません。
○Elevation
「挙上」を意味します。
患部を心臓より高く上げることで、物理的に幹部への血流を緩やかにし、患部からの静脈の流れを促進する効果があります。
そのため、患部の内出血が抑えられることになります。
これら4手技を行うことをRICE処置とされています。
しかし、それぞれの手技に効果があるので、すべての手技がおこなえない場合には、1つの手技を行うことでもある程度の効果を得られます。
その場の条件に合わせて、1つでも多くの手技を施すことが大切です。
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4-2「RICE処置を施す時間」
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RICE処置を行う場合、「どのくらいの時間冷やしたら良いのか?」という問題には、必ずこの時間というような答えはありません。
一般的には1回につき20〜45分を目安に行います。
しかし、個人によって冷却に対する生理的反応は異なりますし、また冷却する身体の部位によりによって、何分間冷却し、何分間インターバルをとったら良いか、一概に言うことはできません。
そこでRICE処置では、冷却による感覚の変化を目安にする場合もあります。
この感覚の変化とは、以下の「4つのステージ」として示されています。
【4つのステージ】
(1)痛い
(2)温かい(ごく短い時間ではあるが、「ポッ」とする感じがある)
(3)ピリピリする(針で突かれているような感じがある)
(4)感覚がなくなる
つまりRICE処置とは、冷却されている部位の感覚がなくなるまで行うのが、正しいとされています。
一般的には、約20分経過すれば感覚がなくなることが多いですが、それより短い時間で感覚がなくなる場合もあります。
もちろんこの場合には、その時点でいったんRICE処置を中断します。
アイシングの間隔は、1〜2時間に1回を間欠的に行うことが望ましいとされています。
これも時間ではなく、患部の温度が健側の同部位と比較して同じになった時点で再開しても良いです。
そして、この間欠的なアイシングを24〜72時間適用します。
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4-3「RICE処置に何を用いるか」
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近年、RICE処置のための様々な医療機器や理学療法器が見られますが、最も効率よく、しかも簡単にRICE処置を行うことができるのは、
○氷
○ビニール袋または氷嚢
○弾性包帯(バンテージ)
を用いた処置法です。
アイシングで氷を用いる際には、
・ビニール袋に1/2〜1/3くらいの氷を入れ、
・少量の水を注いで袋の口を結んでつくった、
「アイスパック」を用います。
しかもアイスパック自体は約0℃の状態を保つので、過度に冷却することによる凍傷の発生の危険性も比較的少ないです。
市販のケミカルコールドパックには、冷凍することで凝固するものと、冷凍してもゲル状態を保つものがあります。
後者の方が体表の凹凸面への適応性が高いですが、冷却持続時間で前者より多少劣る傾向があります。
ケミカルコールドパックは温度が低すぎて凍傷になる可能性があるため注意が必要です。
冷たいものほど、冷却効果が弱いという報告もあります。
入手の簡便さや冷却能力の持続時間、取扱い方法などを考えると、やはり氷がベストであると言えます。
このため、スポーツを行う際には、氷が十分に入ったアイスボックスを用意し、不意の事態に対応できる体制を整えておくことが重要です。
また野球のデッドボール直後などでよくみられるコールドスプレーを用いたアイシングは、皮膚表面の温度を一時的にかなり低くして、一時的な痛みの緩和には役に立ちますが、筋肉の深部まで冷やすことは出来ません。
つまり、アイシング本来の目的では使用することは出来ないことになります。
そのことを考慮して用いるようにしてください。
さらには必要に応じて患部を安定させるためのシーネ(固定副子)などの支持物、患部を安定させるための台になるものを準備すると良いです。
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4-4「どんなときに行えばいいのか?」
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RICE処置は、膝関節や足関節の靭帯損傷や大腿部の肉離れ、肩関節脱臼などの急性外傷の際に行います。
受傷直後から24〜72時間続けることが望ましいとされています。
終了時間は熱感や腫脹の程度を確認しながら決定します。
使い過ぎによるオーバーユース障害の際では、運動直後に行う場合もあります。
【アイスパックのつくり方】
RICE処置において重要となるのが、アイスパックのつくり方です。
氷は家庭用の冷蔵庫でつくられているようなキューブアイスが一般的に使われています。
0℃以下に冷却されている場合が多いため、凍傷予防のためにも使用する際には、水にさらすか少量の水を一緒に入れた方が良いです。
(1)ビニール袋に1/2〜2/3くらいの氷を入れる
(2)少量の水を入れる
(3)板状になるように平らに並べる
(4)袋の中の空気を吸いとり真空状態にする
(5)空気が入らないように結んで完成
アイスパックの中に空気が入っていると、氷層・水層・空気層に分かれてしまいます。
特に空気層の冷却効果は期待できないため、冷却効率が低下することになります。
そのためアイスパックは真空状態をつくることが望ましいです。
またアイスパックを板状の平らにつくることで患部皮膚表面に密着するので、熱の伝導率が上がります。
冷却効果を上げるためには、アイスパックを的確につくることが大切です。
次にアイスパックを患部に当てたら、患部とその周囲に適度な圧迫が加わるように弾性包帯を巻きます。
この際、非伸縮性の包帯やタオルなどを使って患部の圧迫、アイスパックの固定を行ってもかまいませんが、伸縮性のある弾性包帯を使った方が圧迫の強さを調整しやすく、血行障害や神経障害などの圧迫障害を防ぐことが出来ます。
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4-5「RICE処置上の注意」
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RICE処置を行う際には、過度の冷却による凍傷の発生に十分注意する必要があります。
冷却時間についてのときにも触れましたが、個人によって冷却による生体の反応は異なりますので、RICE処置の継続時間を、時間ではなく、あくまでも受けている人の感覚の変化を目安とすることを忘れてはいけません。
突発的な外傷によって意識を失っている人にRICE処置を行う場合には、「4つのステージ」を確認することが不可能なので、RICE処置を行ってはいけません。
まれに冷却に対するアレルギー反応を起こす人もいます。その際にも行ってはいけません。
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5-1「靴下重ね履きで冷えを防ごう」
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気温が下がってくると、足の冷えを訴える方が多くなります。心臓から最も遠い手足が、まずまっさきに血流が不足するためです。
そうした状態をほっておくと身体全体のめぐりが悪くなり、健康を損なってしまいます。
手足をしっかり温めて「頭寒足熱」の状態をつくりあげること。それが自然治癒力を高めることに繋がり、健康への第一歩になります。
そのための方法として、靴下がとても有効です。
コスモス治療院では何度も薦められた人も多いと思います^^
靴下も、
○五本指
○絹か綿の天然素材
のものがオススメです。
足の裏からは毒素が排出されますが、皮膚と皮膚がぴったりくっついていると、出口がふさがれた状態になります。
五本指の靴下を履くことによって、排毒が促進されます。
素材として一番良いのは絹。保温性が強く、そのうえ排毒作用も強いし、外からの毒を受けつけないという非常に優れた素材です。
綿は吸毒はしてくれるけれど、排毒の作用はありません。
そしてそれを重ね履きしましょうね。
一番下には綿か絹の五本指靴下を。そしてそこからさらに天然素材の靴下を重ね履きしていきます。2枚履くだけでも違いますよ。
冷えの程度によって、3枚4枚と履いていきましょう。
そのために大きめの靴を買う人もいますよ。とても温かくて、気持ち良いです。一度やり始めたらやめられなくなるかもしれません。
足の裏は直接内臓とつながっていて、最も汗腺が発達し、冷え・食べ過ぎ・循環障害の毒が多く出るところです。
別に運動をしなくても、一日にコップ一杯くらいの汗が出ています。
いつも温かくして、清潔な状態に保ちましょう。
靴下が濡れたら、こまめに取り替えましょうね。
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5-2「頭寒足熱になるための入浴法」
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コスモス治療院ではよく「頭寒足熱」と言っていますが、これは入浴法にも当てはまります。
僕なんかもお風呂が大好き。たっぷりためた浴槽にざぶーっとつかるのは最高に気持ち良いですよね。
○入浴方法
正しい入浴法の基本は、いつも胸から下だけをお湯につけるようにするということです。腕もつけてはいけません。そして体温より少し高い程度、37〜38度のお湯に20〜30分程度入ります。するとだんだん身体の芯から温まってきて、汗が出てきます。この入浴法だったら、湯ざめはしません。(「万病を治す冷えとり健康法」より)
肩が冷えるようだったらときどきは肩までお湯につけたり、Tシャツなんかを着ながら入浴すると良いと思います。
汗が出にくい人は、口に水を含むといいですよ。そうすると身体は「水分補給してくれるんだ」と思ってくれて、水はけがとても良くなります。そして、この水は飲んじゃダメです。ときどきプッと吐き出して、また含んでください。
そうすると汗の量が違うと思います。
このような入浴法でしっかり頭寒足熱を保ちましょうね。
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5-3「オススメ養生本『冷えとり健康法』」
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『冷えは万病のもと』
『漢方の健康の基本は頭寒足熱』
コスモス治療院では、くどいくらいに繰り返していることです。
そこで冷えに対する養生法でオススメの本があるので紹介します。
○進藤義晴『万病を治す 冷えとり健康法』
専門学校時代、友人に勧められて読んだんです。感動した。目から鱗が落ちた。
僕の周りでも、この健康法で冷えを防いでる人が多い。ぜひたくさんの方に知ってもらいたいと思います。
この本から学んだことを中心に、コスモス治療院では養生法を患者さんにお伝えしています。
『漢方の基本は頭寒足熱』
『健康はまず足元から』
院内の本棚にも置いておきますので、よかったら読んでみてくださいね。
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5-4「身体を温める万能ハーブ『生姜』」
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漢方薬200種類のうち150種類の中に『生姜』が使われています。
効用は主に『身体を温めエネルギーが出て元気になる』。
400種類もの成分が含まれている、万能ハーブですね。
ご存じの方も多いと思いますが、生姜の取り方で多く紹介されているのが『生姜紅茶』。茶葉を発酵させている紅茶は身体を温める効果があり、生姜との相性がいいそうです。
作り方は簡単。
<生姜紅茶の作り方>
カップ一杯の紅茶に生姜をすりおろして、布巾で絞った知る小さじ1〜2杯入れ、はちみつもしくは黒砂糖を入れれば出来上がり。
とても簡単です。一番いいのはもちろんすりおろしたものですが、チューブでもいいみたいですよ。
生姜は本当に身体が温まりますので、ぜひ試してみてくださいね。
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6-1「あきらめないで、変形性膝関節症の痛み」
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膝に痛みをもつ人はたいへん多く、そのほとんどは「変形性膝関節症」が原因だといわれます。
コスモス治療院でも、非常に多くの方が、この症状で来院されます。
<変形性膝関節症>
変形性膝関節症とは、加齢、肥満、膝関節のクッションである軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となって、膝の関節に炎症が起きたり、関節が変形したりして痛みが生じる病気です。
体のほかの部位と同様に、加齢に伴って膝関節も老化します。
・関節の軟骨がすり減る
・関節が硬くなる
・熱をもって腫れる
などの障害が起きやすくなり、膝に複雑な痛みが生じます。多くの場合、加齢とともに少しずつ進行します。加齢による膝の痛みは、女性に多く見られ、特に肥満のある人やO脚の人に起こりやすいことがわかっています。
またスポーツなどにおいても、激しい負担がかかるため、痛みがでやすい場所です。
次は膝の痛みにはどんなタイプがあるか、見ていきましょう。
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6-2「膝の痛みのタイプ」
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膝の痛みは、膝関節な中や関節の周囲の組織に起こり、次の4つのタイプに分けられます。
○使い過ぎによる痛み
検査では軟骨などに異常はないのに、比較的強い痛みが起こります。スポーツ選手などに多く、膝関節に大きな負担がかかり、それをかばうために関節周囲の筋肉や腱、靭帯などが披露して、痛みが生じます。
○急性の炎症による痛み
変形性膝関節症の始まりの1つのタイプです。膝関節を長年使い続けたり、激しく使ったりすることで、関節軟骨や半月板がすり減り、その破片が関節包の内側を覆う「滑膜」を刺激することで、関節内に急激な炎症が起こります。炎症が強いと関節液が異常に分泌され、いわゆる“水がたまる”という状態になります。
○慢性の炎症による痛み
中高年の膝の痛みでは最も多いタイプです。軟骨の破片などが原因となって、関節内で弱い炎症が繰り返されると、関節包など膝関節の周囲の組織が硬くなり、痛みをかばって動くようになります。
すると、膝関節の周囲に負担が偏ってかかり、疲労が積み重なって起こります。
○骨の痛み
軟骨がかなりすり減ってくると骨同士が直接ぶつかるようになり、じっとしていても動いているときにも、鈍く強い痛みが続きます。膝に痛みがあれば、症状を確認して今後の対策を立てるためにも、一度整形外科を受診しましょう。
<変形性膝関節症の治療>
変形性膝関節症の場合、膝に多少なりとも変形が伴うので、
「こんなに変形してしまったんじゃ、痛いのも仕方ない」
と諦める方がかなりいらっしゃいます。
そういう場合でも、鍼灸や指圧は膝の痛みに相性が良いんです。
もちろん変形した膝が、鍼灸などで元に戻るという訳ではありません。
しかし、治療を行うことで、何らかの痛みの軽減が見られることは珍しくありません。
諦めずに、治療を続けることがポイントになると思います。
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6-3「膝の構造」
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膝は、太ももにある「大腿骨」と、脛にある「脛骨(けいこつ)」、膝のお皿とも呼ばれる「膝蓋骨」が組み合わさってできた関節です。
身体の中で最も大きな関節で、複雑な動きをしています。
大腿骨と脛骨の端の表面は、骨どうしが直接ぶつからないように、「関節軟骨」で覆われ、大腿骨と脛骨の間には「半月板」という線維性の軟骨があります。これらの軟骨は、膝にかかる衝撃を吸収するクッションの役割や、関節が滑らかに動くための役割を果たしています。
関節は、「関節包」という袋に包まれ、その中は「関節液」で満たされています。膝関節の中央や周囲には、骨と骨をつなぐ「靭帯」や「筋肉」があり、膝を安定させています。
特に、太ももの前側の「大腿四頭筋」などの筋肉や、骨と筋肉をつなぐ「腱」、膝蓋骨は、膝を曲げ伸ばしする動きを調整しており、2本の脚で歩くために欠かせない大切な仕組みです。
この膝関節のどこかが障害されると、膝に痛みを感じるようになります。
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